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「Leica Hall of Fame Award」、アラ・ゲラー 氏が受賞

現在87歳のアラ・ゲラー氏は、トルコで最も傑出した写真家といっても過言ではない実績の持ち主で、60年以上にわたって生まれ故郷であるイスタンブールの街を印象的に撮り下ろしてきました。なかでも世界的に有名なのは、ボスポラス海峡沿いにある大都市イスタンブールの1950~60年代の様子を切り撮った秀逸なモノクロ写真です。また、フォトジャーナリストとして世界中の政治問題を追ったことや、各時代を代表する政治家やアーティストの取材や撮影を数多く行ったことでも知られています。同氏が撮影した人物には、サルバドール・ダリ、マルク・シャガール、アルフレッド・ヒッチコック、ヴィリー・ブラント、マリア・カラス、バートランド・ラッセル、パブロ・ピカソ、インディラ・ガンディー、ウィンストン・チャーチルらがいます。

「世界で唯一2つの大陸にまたがった都市イスタンブールで、アラ・ゲラー氏はその独特な視点を活かしながら、何気ない日常のワンシーンを切り撮ったり、大小さまざまな変化の瞬間を収めたりしてきました。そのような実績から、同氏には「イスタンブールの目」という異名がつきました。自らのホームタウンを切り撮った写真や、近代の政治における重要な出来事を記録した写真は、どれもが大きな影響力を持っており、20世紀に劇的な変貌を遂げた写真の世界において同氏が決定的な役割を果たしてきたことに疑問の余地はありません。そうした理由から、写真家としての特筆すべき偉大な功績を称えて、同氏に「Leica Hall of Fame Award」を授与することになりました」と、ライカ・ギャラリーズ・インターナショナルの代表(Chief Representative Leica Galleries International)を務めるカリン・レーン=カウフマン(Karin Rehn-Kaufmann)は語っています。

ゲラー氏は1928年8月16日にイスタンブールに生まれました。ドラマ制作の学校に在籍した後、大学に進学して経済学を学んでいましたが、ここで進路を変更してフォトジャーナリストへの道を踏み出すことを決意します。その後、独学で写真を学んで写真家となりますが、時を経ずしてトルコの出版業界の依頼で撮影した作品が注目を集めるようになります。やがてフォトジャーナリストとして作品が認められるようになると、世界的にも名の知れた雑誌の数々からも依頼が舞い込み、ライカを片手に世界中を駆け巡るようになりました。そして1961年、トルコの雑誌「Hayat」(「生命」の意)のhead of the photographic departmentに就任しました。

ゲラー氏は自分自身を「身の回りの出来事を写す」ことで「視覚的に伝える歴史家」であると考えています。芸術家と呼ばれるのは不本意のようで、「写真は芸術ではなく、芸術よりも大きな意味を持つものだ」と語っています。同氏は受賞歴も豊富で、1961年には「Photography Annual」誌から「世界7大写真家のひとり」と評されました。1962年には「マスター・オブ・ライカ(Master of Leica)」の称号を授与されたほか、1999年にはトルコの「フォトグラファー・オブ・ザ・センチュリー(Photographer of the Century)」賞に輝きました。

ゲラー氏の「Leica Hall of Fame Award」授賞式は今年の年末にイスタンブールで行われる予定です。また、フォトキナ2016では、この受賞を記念して、ホール1にて「ライカ・マスターズ・オブ・フォトグラフィー・ギャラリー」写真展を開催します。(開催日:9月20日~25日まで、午前10時~午後6時)

◆ 「Leica Hall of Fame Award」について
「Leica Hall of Fame Award」は2011年に創設された賞で、それ以前に存在したライカの賞の伝統を受け継ぐかたちで、写真界に大きく貢献した写真家や、ライカブランドの発展に貴重な役割を果たした写真家を称える目的で授与されます。授賞者はコンテスト形式の審査ではなく功績のみに基づいて決定されます。これまでに、マグナム・フォトのメンバーであるスティーブ・マッカリー氏、『フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング』紙のエディトリアル・フォトグラファーとして長年活躍してきたバーバラ・クレム氏、ベトナム戦争という近代史における重大な瞬間を記録したニック・ウト氏がこの栄えある賞を受賞しています。また、ベルリンの壁崩壊の前後の時代を写した心を揺さぶる作品で知られるルネ・ブリ氏(2014年死去)や、ライカ Mで近代の出来事や人びとを撮影した作品で20世紀後半のルポルタージュ写真に多大な影響を与えたトーマス・ヘプカー氏も、偉大な写真家としてこの賞を受賞しています。

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